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看護婦は「精神的に強くあるべき」「いつも元気ではつらつとしている」というイメージがあり、言いたいことやおかしいと思うことがあっても、組織のなかでの位置づけを考えて、ほとんど言わずに仕事をしていました。しかし、活動先ではおかしいものはおかしいと言うことで職員とよく対立し、ケン力もよくしました。そして、本当によく泣きました。

バーンアウトの状態から回復するのに、1年かかりました。ケン力をしたり、仲良くしたり、支えてもらったりして、1年かけて自分のことを好きになっていったと思います。

 

自分で変えていくしかない

病院の仕事では、患者さんが元気になって帰っていく、そういう現場に自分がいるということに、とても充実感を感じました。療育の場面では、自閉症の子どもが、私たちの関わりによって人と関われるようになる過程を、その子どもと一緒に経験できることが仕事の喜びでした。

また、「1年間ボランティア」の活動先では、ものを作り出していく場所にいることができ、そして、失敗したり試行錯誤したりしながら作り出していく過程を共有できることが喜びでした。

一緒にできる、見ていることができる自分がいる、それを感じるときに、がんばってよかったと思います。そして、人に相談しながら、またがんばっていけると感じられます。

現在は、障害のある人たちの療護施設で看護婦として働いてます。「もう1回だけやってみよう。やっぱりダメだと思ったら、看護婦という仕事にも踏ん切りがつくのではないか」と思っています。

ケアする人が癒されるためには、結局は自分で変えていくしかないと思います。私の場合はその手伝いをしてくれたのが、「1年間ボランティア」であり、JYVAであり、活動先でした。

 

[テ?

1) 1年間ボランティア:日本青年奉仕協会の主催するプロジェクト。本書57頁を参照。

2) JYVA:日本青年奉仕協会の略称。本書報告3-2を参照。

 

 

 

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