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運天(うんてん)港

(港則法適用港、重要港湾、出入国港、第1種漁港)

 

沖縄島北端の辺戸岬の南西方約34kmにある港で、荒天時及び台風時における最良の避泊地である。

特に港奥の屋我地島南岸と沖縄島とによって囲まれた通称羽地内海は各方向の風を防ぎ、1,000t以下の船舶にとって台風時の最良の避泊地となる。

港口の北方にある古宇利島南岸に古宇利港があり、定期船(45t)が着岸する。

運天・上運天、運天原、湧川、呉我、屋我地区で、小型船だまりの計画が進められている。

歴史的には、琉球王府時代には今帰仁間切所が設置され、北部の行政の要所であった。また、17世紀の薩摩軍の琉球進入時に第一歩を踏み入れた港として、その後も薩摩との航路としても利用された。

大正期から昭和にかけては、奄美群島や近隣離島との流通の中心地として畜産物・サトウキビ等を取り扱い、黒糖の本土向け積出港として栄えた。

 

目標

備瀬埼 港口の西方約12kmにある沖縄島北西端で、頂はのこぎりの歯のような形をしていて低く、北西方至近の礁上に灯台がある。

台風対策

本港では台風による事故を未然に防止するため沖縄県北西部台風対策委員会を設置し、在港船舶などに対し、台風情報の伝達及び警戒体制、避難、入港制限の勧告・解除等の台風災害防止措置を指導している。

潮流

雷鳴埼から湧川までの狭水道では、上げ(下げ)潮流は南(北)方へ流れ、流速は0.6〜1.1knである。

古宇利島西側の水路筋及び屋我地島南側の海域では潮流は微弱である。

水路

古宇利島の西方から公共岸壁に至るさんご礁間の水路及び公共岸壁付近からさらに南方港奥の羽地内海に至る狭い曲がりくねった水路は、灯浮標及び浮標によって表示されている。

注意

水路両側の礁脈は水色によってその縁辺が視認しやすいので、出入港には、高所から見張りをすればそれほど危険ではないが、天候などにより識別しにくい場合もあるので注意を要する。

公共岸壁付近から羽地内海に至る水路は、台風避難時にこの地方に明るい1,000t以下の船舶が通航しているが、通航には細心の注意を要する。

この水路を航行する際は、水路の中央やや西寄りを航行すればよいが、水路両岸の各岬の先端付近が浅く、連続して大角度の変針を要し、また前方の見通しが悪いなど悪条件が重なっているので、できるだけ微速力で航行しなければならない。

錨地

1号灯浮標付近から公共岸壁までの間の水域は、公共岸壁に出入する船舶の水路に当たり、狭く、また、潮流も強いので錨泊に適さない。このため、公共岸壁に入港する船舶は、岸壁が全部ふさがっているときは古宇利島の西方海域で沖待ちをしなければならないので、入港前に港湾管理事務所と連絡をとるほうがよい。

港奥の羽地内海は、台風時における沖縄島周辺唯一の避泊地で全方向の風を防ぐ。通常はこの地方に明るい1,000t以下の船舶が錨泊している。この泊地は屋我地島南岸から干出浜が張り出していて狭く、台風時には避難船が多い。

巡視船(309t)は、台風を避けるため、屋我地島南岸の長埼を029°1,000mに見る所に両舷錨鎖5節で双錨泊したことがあるが、最大瞬間風速35m/sで走錨などの異常はなかった。

補給

水・燃料油の補給ができる。

アクセス

伊是名島、伊平屋島及び古宇利島との間にカーフェリー便がある。

その他

運天港港湾管理事務所(TEL098-056-2107)

名護市役所(TEL090-53-1212)

今帰仁村役場(TEL0980-56-2101)

今帰仁漁協(TEL0980-56-2226)

羽地漁協(TEL0980-58-1829)

 

 

 

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