日本財団 図書館


はじめに

 

(財)日本水路協会海洋情報研究センター(MIRC)は、海洋データの高度品質管理の方法・技術を開発して日本海洋データセンター(JODC)の活動を助けると共に、多方面の要望に沿う諸種のデータプロダクトを作成・提供することを目的として、日本財団のご支援の基に設立されました。また、海洋情報提供の仕事と並んで、MIRCは海洋知識の普及啓蒙、および海洋データ管理に関連した種々の国際協力の一翼を担おうとしております。

この普及啓蒙活動の一環として、MIRCは原則として年1〜2回の割合で普及啓蒙講演会「海洋情報シンポジウム」を開催しております。第1回目は平成10年5月12日に神戸において第五管区海上保安本部との共催で、「海の地図情報の最前線」をテーマで開きました。第2回目は平成10年12月3日に、東京において「海の生物資源と海洋情報」というテーマで開催しました。これらの貴重な講演の内容は、MIRCサイエンスシリーズのNo.4「海のサイエンスと情報(I)―海洋情報シンポジウムから―」として刊行いたしました。第3回目のシンポジウムは、平成11年5月12日に、第四管区海上保安本部の共催を得て、名古屋で開催いたしました。「内湾の知識、そして防災と海洋情報のかかわり―伊勢湾をケーススタディとして―」というテーマのもとで開き、講演内容をMIRCサイエンスシリーズのNo.5「海のサイエンスと情報(II)―海洋情報シンポジウムから―」として刊行いたしました。平成11年度は、日本海洋データセンターが計画主体となって、IOC(ユネスコ政府間海洋学委員会)の西太平洋域(WESTPAC)の国際海洋データ情報交換計画(IODE)の国際会議が、マレーシアのランカウイで平成11年11月1〜4日に開かれました。MIRCは、その中で開催された「海洋学および海洋科学に関する国際セミナー」に、普及啓蒙活動と国際協力の一環として参加すると共に、このシンポジウムに3名の講演者を招聘し、その講演内容を私の講演と合わせて、MIRCサイエンスシリーズNo.6「Climate Change and Oceanographic Data Management」として刊行いたしました。国内の第4回目のシンポジウムは、平成12年11月21日に朝日新聞東京本社浜離宮朝日ホールにおいて、「海底地形情報が自然災害・漁場形成に果たす役割」というテーマのもとに開きましたが、100名を超す熱心な参加者を得て成功裏に終了することができました。

貴重な講演・討議内容を、印刷した形で出来るだけ早く刊行して欲しいという要望が多く、このシンポジウム単独で講演集を海のサイエンスシリーズNo.8として刊行することにいたしました。1人でも多くの方のお役に立てばと思う次第です。

 

平成13年2月2日

 

海洋情報研究センター 所長

永田豊

 

 

 

目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION