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E. 予測水深の格子サイズ

昨年度の手法では予測水深の格子サイズとして経度方向2分×緯度方向1分を採用した。今回はより詳細に水深データを整備するため、格子サイズを1分×1分とした。これは緯度33度(G1806中央付近)で東西方向1.5km×南北方向1.8kmに相当する。

 

F. 緯度の違いによる格子形状変化の影響

本研究では求める予測水深の格子サイズを経度方向1分×緯度方向1分としているが、実際の経度方向の長さは高緯度になるほど短くなる。(例えば、緯度0度(赤道)における東西方向1分は約1.8kmだが、緯度60度での東西方向1分は約0.9km。)

本研究の今年度対象海域G1806(東経170〜180度、北緯30〜36度)は緯度方向6度の幅を持つが、G1806全域とG1806北西部のみとで予測水深を行った結果を比較し、この程度の領域内では一括処理しても格子形状変化の影響は無視できる事を確認した。

 

G. 予測水深結果の接合方法

前記「A.高速フーリエ変換(FFT)時の境界の影響抑制」及び「F.緯度の違いによる格子形状変化の影響」の考察から、一度に処理する領域にはある程度の制限が必要であることがわかった。効率的に処理するため、東西に長い帯状領域で水深予測を行った後に各領域毎の水深予測結果を重み付きで接合する手順について検討した。

 

c. 補正値等の算出方法の検討

A. 残差埋め戻し

本研究では昨年度からSmith and Sandwell (1994)の手法に準拠して水深予測を行っているが、まだ予測水深と観測水深の差の標準偏差は約250mある。予測水深に対して観測水深値に基づく補正を行う手段として、以下の手順を検討した。

 

1) 観測水深値が存在する各点について予測水深と観測水深の残差rを計算する。

[残差r]=[予測水深Bp]-[観測水深Bo]

 

2) 残差rを対象海域全体に面的にスプライン補間する。

R:残差rのスプライン補間

 

 

 

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