2.2.4 基本水準面高低モデルの構築・検討
GPSを用いたリアルタイム水深測量を実現するためには、図3に示すように、基本水準面の楕円体高がわかれば、求めたい水深値は
水深値=測得水深-((測量船高さ-アンテナ高)-基本水準面高)
測得水深:測深機による水深測量値
アンテナ高:海面から船上GPSアンテナ位相中心までの高さ
測量船高さ:準拠楕円体面から船上GPSアンテナ位相中心までの高さ
基本水準面高:準拠楕円体面から基本水準面までの高さ
で計測することができる。しかし、現実には水深測量地点における楕円体上の基本水準面高を計測することができない。
そこで、調査海域の周辺に存在する基本水準標から得られた基本水準面データを用いてBSPLINE手法による基本水準面高低モデルを作成した。基本水準面高低モデルを図22に示す。
理論的には、このモデル上の任意の点を水深測量時に測量結果とともに計算処理できれば、各測量地点においてほぼリアルタイムに水深を決定することができる。
そこで、モデルから抽出した平均水面の楕円体高、精密Z0、基本水準面を検証した結果を表11に示した。また、基本水準面と実測値との差を図で展開したものが図23である。
これらによると、菊間の89cmが最も差があり、続いて呉の57cmとなっている。その他は50cm以下で、平均は2.8cmとなっている。
本データは、データベースとして格納するとともに、任意の地点において測量船の高さ、アンテナ高、測深結果が入力されることによりに計算された水深値を出力するようにソフトウェアを作成した。