2.2.3 Z0に関する数値シミュレーション情報の収集及びデータベース化
Z0に関する数値シミュレーション情報の資料収集として、瀬戸内海に存在する験潮所のうち118点についての潮汐調和分解成果及び衛星海面高度計データに基づく海洋潮汐モデルを収集した。
験潮所潮汐調和分解成果の収集した地点位置を図8に示す。収集したデータはM2、S2、K1、O1の四分潮値及び四分潮の和(精密Z0)である。書誌741号に記載されているZ0値は10cm単位で丸められた値で表現されている。収集したデータと書誌741号に記載されているZ0値を表9に示す。験潮所地名のうち(測)と記載されでいる地点は基本水準標の楕円体高との関係を求めるためGPS観測を行った地点である。これらのデータのうち、基本水準標の高さと四分潮の値との関係が求められる点は120地点であった。各験潮所における精密Z0とZ0の差の分布を検討するためその値を図9に示した。
衛星海面高度計データに基づく海洋潮汐モデルは、国立天文台地球回転系助手松本晃治氏らのグループが作成したものでTOPEX/POSEIDON衛星データをもとにした海洋潮汐モデルに浅海で卓越する短波長成分を衛星軌道に沿ってとらえ、さらに海洋潮汐を数値モデルにより内挿したもので、衛星データのほかに沿岸の験潮データも加え精度の向上を図ったものである。なお、本モデルは、研究用に限り
http://www.miz.nao.ac.jp/staffs/nao99/index.html
で利用可能となっている。
松本の海洋潮汐モデルと験潮所データを比較するため、験潮所データと松本の海洋潮汐モデルから算出した各験潮所位置の調和定数との比較を表10に示す。また、験潮所の精密Z0と松本の海洋潮汐モデルから得られたZ0と差の分布を図10に示す。
過去の験潮成果の整理を基に、平均水面とZ0に関する、数値シミュレーション情報の収集とデータベースを作成した。