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2.1.2 基本水準標の楕円体高の測量

基本水準標(BM)の楕円体高の測量は、上記で選定されたBM上または偏心した近傍の点上においてGPSによるスタティック測量を実施し、その解析結果からBMの回転楕円体上の位置を算出し、楕円体高を求める方法を用いた。

 

(1) 現地観測

BMのGPS測量は、瀬戸内海沿岸域においては平成12年7月18日〜8月28日の期間に実施した。また、安居島は10月12日、斎島は10月13日に実施した。測量は表1に示す書誌第741号等記載の水路部BM、国土地理院BM等の直上、あるいはその近傍の偏心点上で実施した。

BM上でのGPS測量による楕円体高測量は、表4に示すGPS受信装置を用いた。なお、アンテナは、測量用の三脚上に設置し実施した。測量はスタティック測量計算に必要なデータを取得するため、各地点においてサンプリング間隔を1秒または10秒とし、2〜3時間実施した。

 

表4. BM観測に用いたGPS受信装置

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表1において、測量点の欄に「本点」と記載してある点は、BM上にGPSアンテナを設置した点である。「偏心点」と記載してある点については、上空視界不良や点設置状況により、BM上にGPSアンテナを設置することが困難であったために、BM近傍に偏心点を設け測量した点である。偏心点上でGPS測量を実施する際には、BMと偏心点とを関係づける往復の水準測量を実施した。

水準測量によるBMと偏心点との関係を図5に示す。BMは書誌第741号等記載のBM、偏心点はGPSアンテナの設置点である。

また、偏心点におけるアンテナ高は、アンテナ斜高から算出した偏心点頂からグランドプレーン下面までの直下高とグランドプレーン下面からアンテナの位相中心までの距離を加えたものである。アンテナ斜高は、グランドプレーン面で3方向から計測した斜高の平均値である。

水準測量結果とアンテナ高を加えることで、BM頂から測量点のアンテナ位相中心までの高さを決定することができる。

 

 

 

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