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<トピックス>

 

1. ヴィエトナムに対する特別円借款の供与について

〜ヴィエトナム経済の再活性化支援のために〜

 

我が国政府は、ヴィエトナム社会主義共和国政府に対し、総額213億700万円までの特別円借款を供与することとし、このための書簡の交換が3月22日(水)行われた。

この円借款は、平成10年12月に発表された「アジア諸国等の経済構造改革支援のための特別円借款」により供与されるものであり、アジア経済危機の影響を受けたヴィエトナム経済の再活性化を支援するために実施されるものである。

今般の円借款の供与対象案件のうち運輸関連案件の概要は次のとおりである。

 

「ハイフォン港リハビリ事業(第2期)」

(供与限度額:132億8,700万円)

ヴィエトナム北部の最大の港湾であるハイフォン港において、(イ)浚渫による航路改良、(ロ)コンテナバース2基の新設、(ハ)機器調達(コンテナクレーン、小型浚渫船等の調達)を行うもの。

 

円借款の供与条件は次のとおりである。

(1) 金利:年1%

(但し、コンサルタント部分については特別環境案件と同じ金利(0.75%)を適用)

(2) 償還期間:40年(10年の据置期間を含む)

(3) 調達条件:日本タイド

(但し、コンサルタント部分については二国間タイド(但し、コンサルタント部分に含まれる監査部分については一般アンタイド))

(4) その他:

調達プロセスの公正性、競争性を確保するため、調達手続きについては、借款資金を活用して、第三者機関等による定期的・事後的監査を実施することとし、この監査の費用はコンサルタント部分に含まれる。

今回の円借款の供与により、我が国のヴィエトナム社会主義共和国に対する円借款の総額は、5,311億1,100万円となる。

 

2. ヴィエトナム向け円借款に係る案件リスト(ロング・リスト)の確定について

 

1. 我が国政府は、4月20日、ヴィエトナム社会主義共和国政府との間で、1999年度から2001年度までの3年度間にヴィエトナム向け円借款を供与する可能性のある案件リスト(ロング・リスト)を確定した。

2. ロング・リストとは、円借款が経済的波及効果が大きく多年度にわたる計画的取組を必要とするものであることを踏まえ、相手国の了解の下、国毎の多年度に亘る円借款候補案件リストを両国間で確認することにより、中・長期的観点から円借款案件のより効果的・効率的な発掘・形成・採択を目指して策定されるものである。なお、このロング・リストは、平成10年11月27日付けの対外経済協力関係閣僚会議幹事会申し合わせ「ODA(政府開発援助)の透明性、効率性の向上について」においてその公表が求められていたものである。

このようなリストヘの案件の掲載は、当該案件の実施を約束するものではないが、かかる案件リストの策定によって、中・長期的な展望を明らかにすることにより、援助の透明性の向上が図られるとともに、一貫性のある援助の実施、各種スキーム(技術協力・開発調査等)間の連携、他の援助国、国際機関や民間分野との連携が促進されるものと期待される。

3. ヴィエトナム政府は、中期的な開発計画の中で円借款に計画的に取り組み、これまで効果的に円借款を活用してきている。今次のロング・リストでは、ヴィエトナム政府が2001年度までに着手することを希望する円借款候補案件55件を日本・ヴィエトナム両国政府の間で確認した。

これらの案件は、両国政府が円借款協力の重点分野として合意している(1)電力・運輸、(2)都市インフラ整備、(3)地方農村開発による地域格差の是正、(4)中小企業支援、(5)人材育成、(6)環境配慮、にそった形となっている。

 

 

 

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