その他の都市
チュニジアのその他の都市では、都市交通は政府が所有する公営のバス会社(地域のバス会社10社)が行っている。民営の交通機関(タクシーやルアージュ)も都市内・都市間で営業を行っている。学生の通学が公営の交通機関の主な乗客対象であるので、経費の一部をまかなうために政府からの補助金を受けている。
都市交通の改善
1989年、都市交通に関する新しい政策が発表された。都市交通システムの確立・調整を各地方・地域の当局に任せようとする政策である。しかし、この政策はこの分野における地方の管理職員・管理能力の不足により、現実にはまだ適用されていない。
交通省はまた、チュニス市の都市交通に関する問題を検討し、都市交通の調整のための技術組織を設置するよう提案した。
他の市については、交通や都市交通管理の業務は、知事および地方自治体が行うことになる。
都市交通改善事業の例
・チュニスにおける交通管理システムの改良
・バスサービスおよびサービス全体の質の向上(利用可能な路線の割合、発券、駅など)
・交通機関どおしの補完性を高め、住民の移動を効率的に行うため、スムーズな交通結節点の開発(バスステーション、パーク&ライド施設など)
・都市交通事業への民間セクターの加入促進
都市交通改善事業の障害
・運賃収入だけでは、公営の交通機関の収支をまかなうことができない。実際、都市交通は収入の70%が利用料金で、残り30%は政府の予算でまかなわれている。学生その他の優遇措置のある乗客の分まで、正規料金を支払う乗客が支払うことになっている。
・都市交通への民間セクターの参入がきわめて限られている。チュニスの民間企業2社の輸送量は、公営企業のSNTの輸送量の1%にも満たない。
・需要が満たされていない。ラッシュ時に見られる状況や一方向に集中する交通量にそれが表れている。ラッシュ時にはバスが定員超過になってしまい、移動の半分は徒歩によるものである。