バスのすし詰め状態は特にラッシュの時間帯にひどく、バスのサービスレベル(LOS = Level of Service)は依然低い。ジャカルタにおいて朝のラッシュ時のほぼ全路線を対象とした調査では、バスの58%が定員超過であり、30%が「重度」の分類であった。
3. 都市公共交通の問題点
近年、ジャカルタを初めとするインドネシアのほとんどの大都市で、道路問題の深刻化・複雑化が見られる。道路網の拡大と、車両の増加・土地利用の拡大・人口増加との間のバランスがとれないのである。
その他の問題としては、渋滞、遅延、大気汚染・騒音、交通事故、道路使用者のモラルの問題がある。ラッシュ時のジャカルタの幹線道路では、車両の平均速度は時速20km程度にすぎない。大気汚染は幹線道路各所で基準を越えている(表5を参照)。騒音公害は身体的にも精神的にも健康に有害となるが、これも各所で基準を越えている。