注:エネルギー密度は消費燃料のMJ/リットルで表記されている。
出典:Australian Greenhouse Office, Energy Workbook for Transport (Mobile Sources), National Greenhouse Gas Inventory Committee Workbook 3.1 with Supplements 1998
海上輸送に関しては粒子状物質の排出に関するデータは入手できなかった。しかし、一般的には粒子状物質の排出は局部的問題と見なされ、汚染源に直接近接している時のみ懸念される。船舶は一般的に人の活動地域から十分に離れて運航しているため、粒子状物質の排出は通常深刻な懸念ではない。
表9.2-3に、検討したそれぞれの海上輸送オプション及び道路輸送の容量のトン・キロメートル当たりの相対的な汚染状況を示す。Ro-Ro船及び一般貨物船は中間生成燃料油を使用しており、バージは舶用ディーゼル油を使用していると仮定しているため、汚染物質の概略はバージ及び他の2種の船舶間で大きく異なる。それにもかかわらず、SO2以外の全汚染物質のトン・キロメートル当たりの汚染の度合いは全海上輸送オプションの方が道路輸送と比較して非常に小さい。
実際問題として、特定の航路での相対的な汚染状況は理論的な汚染レベルのみで決まるのではなく、道路輸送距離と海上輸送距離との差、海上輸送の後の道路輸送の必要性、復路貨物の入手可能性の影響を受ける。
以下の表には、これらの要因を考慮に入れ、4つの主要ケーススタディー路線における道路トラック及び船舶からの汚染物質の推定値を記録している。海上輸送手段の粒子状物質の排出は、荷積み及び荷揚げ港に接続するトラック輸送部分についてのみ推定値を算出している。この点において、硫黄含有量の比較的多い燃料油を使用する船舶では高い数値になる傾向にあるSO2の排出を除き、海上輸送は非常に大きな優位性を持っていることがわかる。