船舶の資本価値は購入原価から累積減価償却を差し引いて計算している。同会計方式により、船舶の価値は耐用年数の当初5年間での比較的急速な減少が見られ、同程度の船齢の中古船の市場価格を合理的なものにしている。
資本収益率
期待資本収益率は船舶の帳簿価格に固定収益率を適用して計算している(8.2.2参照)。そのため、前節で詳述した調整が、自動的に期待収益率の調整に結びついている。
修理及び維持費用
修理及び維持費用は一般的には船齢と共に増加すると想定される。差異の範囲は船舶の過去の運航状況及び船主のメンテナンス状況により大きく異なる可能性がある。本調査では、Drewry Shipping Consultantsが使っている一般的な傾向に基づく評価を利用した。ここでは、修理及び維持費用は新造船舶の資本価値に対して約1%及びその後毎年5%ずつ増加する。
乗組員費用
本調査の中で、タンカーの船長に対する給与7万バーツ/月から部員に対する3千バーツ/月まで乗組員にかかる費用の概算数値を得た。本調査で使用する費用はすべての乗組員が正当な訓練を受け、認定を受けているとの仮定に基づいている。本分析で使用した給与は以下の通りである。