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5.2 主要造船所

 

大多数の浮きドックは船舶の修繕に使用されている。タイ最大の浮きドックは、チョンブリ県レムチャバンのUnithai Shipyard and Engineering社が所有している。同浮きドックの規模は、4万トンの持上げ能力、283×47×8mである。同ドックは16万DWTの船舶の修繕が可能である。

Italthai Marine社の浮きドックはタイで最大の造船所で、8千DWTまでの船舶を建造することができる。同ドックはサムットプラカン県ムアン地区タイバン小地区に位置している。

最大の乾ドックは、歴史ある造船所の一つであるBangkok Dock社が所有している。同ドックはバンコクのサトン、ヤワラ、ニューロードに位置している。Bangkok Dock社は乾ドックを2ヶ所所有しており、一つは造船及び修繕用で、最大4千DWTの能力を持つ114.07×15.9mのものであり、他の一つは造船及び修繕用の最大3千DWTの能力を持つ108.58×13.7mである。

船台及びシップリフトは通常小規模船舶用として使用される。

 

5.3 船舶建造及び修繕活動

 

タイの造船及び船舶修繕工業会が集計した1992〜1998年の統計(表5.4-1)によると、1997年の造船及び船舶修繕による収益は22億8,900万バーツであった。1997年の経済危機により収益は減少し、1998年には5億4,200万バーツとなった。

1998年にタイの造船所で修繕を行った船舶の合計トン数は29万3,906トンであった。逆に、新規建造量は非常に少なく、合計2,394GTであった。それ以前の建造船舶総トン数はわかっていないが、建造による収益から推測すると、どの年も約3,000GTは超えていない。

大多数のタイの造船所には、船舶設計部門がないか又は人員がない。船舶建造の基本設計を含めた設計及び製図のほとんどは海外、特にシンガポールで行われるか、外国で承認された設計図書が船舶所有者により造船所に供給されている。

現在タイの造船所は、鉄鋼運搬又は他の主要国内路線で経済的運航される規模の商業用Ro-Ro船又は一般貨物船の建造経験を持たない。更に、タイの造船所が同市場で、外国造船所と競合することは難しいであろう。しかしながら、Italthai Marine社はタイ海軍用に、Ro-Ro船と類似した揚陸艦輸送船(LST)の建造を行った経験はある。同船は長さ130mで5,000DWTの荷積みが可能である。

 

 

 

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