出典:Harbour Department and study estimates based on Harbour Department data
タイ国港湾局のデータ(表3.3.3-1参照)によると、タイでは3,563隻の船舶が海上利用登録されている。しかし、その内2,501隻は漁船で、18隻は純粋な客船であり、残りの1,044隻が全面的又は一部海上貨物の輸送に使用されている。
しかし、これらの船舶全隻が沿岸交易に利用されているわけではない。実際、沿岸交易に利用されているほとんど全ての自航式船舶はタンカーである。タイ船舶所有協会(TSA)は、本調査の一部として行った面談の中で、沿岸路線で固体貨物輸送を定期的に行っている企業は一社しか上げなかった。同社はHarinsuit Transport社であり、1,000〜2,000DWTの一般貨物船を11隻展開している。これらの船舶は主にバンコクからソンクラーヘの農産物の輸送に使われており、通常復路は空荷である。他の500GTを超える固体貨物用船舶の全てはタイ国籍船として国際航海している。タイ船主協会によれば、内航船を運航する21社は、石油の沿岸輸送業務を行っているオイルタンカー122隻及びその他一般貨物船40隻程度で、タイ国内の沿岸航行船舶は合計で約160隻程度である。14
固体貨物の沿岸輸送業務は現在のところほぼ独占的にバージ事業者によって行われている。図3.3.3-1は、1988年から1996年の間に港湾局に登録されたバージのサイズ分類を表している。登録手続の中で河川バージと海洋バージの正式な区分は行われていないようだが、200GT未満のバージは海上利用には不向きであると思われる。いずれにしても同規模未満のバージは、海上サービスでは経済的ではない。
14 船主/船舶事業者及びその船舶の詳細はTSA Maritime Directoryより入手。