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ブラウンバック法案の目的は、内航制度に対する海事産業の支持に楔を打ちこむことであった。ブラウンバック議員等は、船主/運航者と海事労組は、長い目で見て自分達の利益になるならば、造船業を見捨てると考えていた。

米国造船工業会(SCA)と米国造船協会(ASA)は当然のことながら、これに反発した。SCAはブラウンバック法案の真の目的を見抜き、「ジョーンズ・アクト反対派が、米国造船所と米国籍船社の間に楔を打ちこもうとして米国建造要件を攻撃する戦略を採っている明白な証拠である」とした。

シンシア・ブラウンASA理事長は、米国造船所は内航向けに13隻の貨物船と2隻のクルーズ船を受注しており、この大型投資の鍵はジョーンズ・アクト保護の存続が握っているとした。

1999年6月末の演説で、米国荷主を代表する米国産業輸送同盟(NITL)のエドワード・エメット理事長は、同組織がジョーンズ・アクト議論に参加する旨を宣言した。同理事長は荷主が内航サービス不足を憂慮しているとの、ジョーンズ・アクト反対派の主張を認め、船社が船価の高い国内造船所で建造したがらないことを原因としてあげた。

ジャーナルオブコマース紙は、ブラウンバック上院議員とジョーンズ・アクト改革同盟によるこのアプローチに海事労組の一部が揺らぎ始めたと報道したが、結果的に同法案に進展はなかった。

 

 

 

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