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11) 1998年運輸自由化法案(S. 2390)

 

提出日:1998年7月30日

提案者:ブラウンバック上院議員

共同提出者:ヘルムズ議員、ルガー議員、バーンズ議員、ロバーツ議員、ヘイゲル議員

1998年運輸自由化法案:外国で建造された船舶が特定産物の内航輸送に従事する事を許す法案。

 

サム・ブラウンバック上院議員(共和党カンサス)はジョーンズ・アクト航路における特定貨物の輸送に外国建造船の使用を認める法案を提出した。上院通商委員会は1998年9月に運輸自由化法案(S. 2390)についての公聴会を開催した。ジョーンズ・アクト反対の声は高まったが、ほとんどのアナリストが同期、次期議会においてジョーンズ・アクト改革は有り得ないと見ていた。ジョーンズ・アクト改革派は最初は全面廃止を目標にしていたが、運輸自由化法案、農業海運救済法に見られるように、内航制度の米国建造要件に的を絞っていったのである。

1998年9月の公聴会では、マラッド長官クライド・ハートが行政府の反対姿勢を表明し、ジョーンズ・アクト改革同盟のロブ・クォーテル理事長が国家安全保障議論を批判するという予想通りの展開であったが、ASAのブラウン理事長が、ジョーンズ・アクト改革について公聴会を開催するだけでも、国防造船産業基盤の生き残りを危うくすると発言したのに対し、マッケイン議員が激しく非難したことが切っ掛けとなり、ジョーンズ・アクト改革派として同議員の存在が浮上したのである。

アリゾナ州選出の共和党議員であるマッケイン上院議員は、かねてから産業活動に対する政府助成プログラムをはっきりと批判していた。同議員は、外国製航空機の使用を認められている国内航空産業を例に上げて、国家安全保障議論の有効性を批判した。

マッケイン上院議員の支持にもかかわらず、ジョーンズ・アクトの大幅改正の機は熟していなかった。ロット上院議員(共和党ミシシッピ州、院内総務)は、ジョーンズ・アクトを一言で言うと「愛国主義」であると説明している。「海事の世界は三脚のようなものであり、ジョーンズ・アクトがその3本の脚を同じ長さに保っているのだ」と公聴会でロット上院議員は語った。

 

 

 

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