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ナカシマプロペラとのジョイントベンチャーの解消は、Hamworthyのジョイントベンチャーに対する一般的な姿勢からなされたものではなく、それぞれの契約のメリットについて検討された結果なされたものであった。実際、KSEから引き継がれた中国のジョイントベンチャーは非常にうまくいっており、完全な支援を受けている。この会社は、現在、Hamworthy KSE Hua Haiとして事業を行っており、中国現地の下請け業者からの製造上の要件に沿って、ハッチカバーの技術設計部門として活動している。

 

3.2 中期的成果

買収によりHamworthy KSEの構成要素である旧Hamworthyと旧KSEはより高い売り上げを記録し、買収は双方に利益をもたらしたと思われる。新しい同僚(Hamworthy KSEの構成要素である旧Hamworthyと旧KSE)間の情報の流れが促進されるに従って利益は生じ続けると言われている。

Hamworthy KSEは、HamworthyとKSEの製品領域の補完が広範囲な製品領域を作り出したと信じている。その結果、同社は海運市場と造船市場の周期的な上昇・下降の影響を吸収できるようになった。Hamworthy KSEの危険分散を可能にしたほか、このアプローチは、ニッチマーケットの技術製品と大量生産商品の組み合わせを維持するという同社の方針を反映させたものであり、同時にプロジェクトに対するパッケージ供給能力を高めるものであった。

補完的な製品に関し、HamworthyとKSEの製品の組み合わせは、新会社(Hamworthy KSE)が完全なシステム(例えばガスキャリアに係る完全なシステム)を提供することを可能にした。販売とサービス部門を除けば、KSEの英国での事業以外は、両社の地域のカバーレッジは完全に補完的であった。KSEの英国での事業は、Kvaerner Kincaidによる事業(Doxford、Man B&W及びSulzerブランドエンジンの部品供給及び船舶支援サービス)であったが、これは買収から除外された。

これは、HamworthyがKSEの船主・造船所(特にノルウェー、スウェーデン及びドイツ)との関係から恩恵を受けることを可能にしたことを意味する。Hamworthyは、KSEの’Eureka’ポンプを欧州代替え市場にさらに浸透させる機会を探していた。同社はこれに関し既に成果が出つつあると言っている。

Hamworthyは、重要なプレーヤとなる分野又はかなりのマーケットシェアを獲得できると信じる分野のみに参画しようという戦略を持っている。KSEの買収は、Hamworthyがガスキャリアやクルーズ客船の分野における主要な供給者としての地位を確保することを可能にした。

特に、Hamworthy KSEは、ドライ・カーゴ装置の追加が、成長市場と考えるRO-ROフェリーや自動車・トラック運搬船の市場への参入を可能にすると信じている。

 

 

 

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