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・製品領域の拡大により、海運市場・造船市場の景気変動に対する抵抗力が強化された。

・Hamworthy Marineの環境保護システム、舵システムにKSEのカーゴポンプシステム等が加えられるとともに、KSEのイナートガスシステム、再液化システムにHamworthy Marineのポンプを組み込むことによりシステムの向上が図られ、パッケージ供給能力が向上した。

・Hamworthy Marineの製品についてノルウェー、スウェーデン、ドイツ等の船主・造船所との関係が強化され、顧客の拡大が図られた。

・Hamworthy Marineの製品についてRO-RO船、自動車運搬船等の市場への参入が可能になるとともに、KSEの製品についてオフショア市場への参入が可能になった。

 

3. Rolls-Royce

3.1 合併・買収の概要

1999年11月、Rolls-Royceは、Vickers Ulstein Marine Systems(以下、「VUMS」という。)を含むVickersを買収した。なお、VUMSは、1999年1月、VickersがUlsteinの舶用部門(造船部門を除く)を買収して設立されている。

 

3.2 合併前の二つの企業の概要

(1) Rolls-Royce

英国に本社を置き、海軍市場に焦点を当てた舶用工業分野の有力企業。製品は、原子力発電装置、ガスタービン、蒸気タービン、ディーゼルエンジン、モーター等。舶用ガスタービンのパイオニアであり、30カ国にのぼる海軍にガスタービンを供給してきた。

 

(2) Vickers Ulstein Marine Systems (VUMS)

VUMSは、英国のエンジニアリンググループVickersの3つの部門の一つであった(他の2部門は、Vickers Turbine ComponentsとVickers Defence Systems)。VUMSは、以下の4つの部門に分かれていた。

a) Propulsion

VUMSの最大の部門であり、10社が所属。ウォーター・ジェット、固定・可変ピッチプロペラ、スラスター及び電動機収納推進装置(propulsion pods)に焦点を当てた推進装置及び推進システムの開発、組み立て及び保守整備を実施。

b) Engines

Ulstein Bergenを中心とする部門であり、舶用及び陸上発電所用の4ストロークディーゼルエンジン、ガスエンジンを製造。また、本部門はEurodyne Gas Turbineの研究開発を実施していたほか、鋳物工場を有し鋳物の供給・販売も実施。

 

 

 

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