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1. シンガポールの経済と海事産業

(1) 経済

 

シンガポール経済の概況(98年)

 

【1】経済全般

(1) GDP成長率

98年の実質GDP成長率を四半期別に見てみると、アジア通貨・経済危機の影響が時間差をおきシンガポールに波及したことから、第3四半期以降は2四半期連続でマイナス成長となった。その結果、98年の実質GDP成長率は、97年のプラス8.0%から大幅に減退し、プラス1.5%と低迷した。

 

表1 実質GDP成長率の推移(90年価格)

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注1) 1998年は、暫定値

注2) 1970年及び1980年の数値は、それぞれ70年代、80年代の平均成長率

 

(2) 産業部門別GDP成長率

両者あわせてGDP全体の4割以上を占める製造業及び商業・貿易は、98年通年ベースでマイナス成長となり、シンガポール経済全体の成長の足を引っ張った。四半期別に見ても第2四半期以降3期連続でマイナスとなっている。

また、建設業は通年ベースではプラス成長を維持したものの、年後半はマイナス成長となった。

製造業及び商業・貿易を中心とした経済の落ち込みは、往復貿易額がGDPの2.5倍にも達するシンガポール経済の特殊性によるところが大きい。特に、対アジア貿易比率は58.0%を占め、総需要の減少率4.2%(前年比)のうち、実に3.5ポイントは外需の減少によるものとなっている。

 

表2 産業部門別実質GDP成長率の推移(1990年価格)

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注1) 1998年は、暫定値

 

 

 

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