刊行によせて
当財団では、我が国の造船関係事業の振興に資するために、「造船関連海外情報収集及び海外業務協力事業」を実施しております。その一環としてジェトロ船舶関係海外事務所を拠点として海外の海事関係の情報収集を実施し、収集した情報の有効活用を図るため各種調査報告書を作成しております。
本書は、(社)日本中型造船工業会及び日本貿易振興会が共同で運営しているジェトロ・ニューヨーク・センター船舶部 森雅人駐在員のご協力を得て実施した「米国造船業の集約化」に関する調査結果を取りまとめたものです。
1980年代より米国の独占禁止法緩和政策を追い風に「M&Aブーム」が起こり、90年代には、冷戦の終結や経済のグローバル化、高度情報化を受けて、ますます大型のM&Aが活発に行われるようになりました。この動きは全産業に波及しており、元来グローバルな産業である造船業についても、その傾向は顕著でありM&Aは各国の垣根を越えて拡がっております。本調査は、造船業を中心とした米国産業全体の「M&A」や業務提携を調査したもので、今後の国際商船市場の再編の動向を知る上で大いに参考となるものと思われます。
関係各位に有効にご活用いただければ幸いです。
2000年5月
財団法人シップ・アンド・オーシャン財団
