a)合理的な収入見込みをもとにして、プロジェクトベースで必要となる元利償還や経営流動性がカバーされるところまで、優先弁済債務を減少させる。
b)企業保証、追加担保及び/または借入人及び保証人双方に対する制限条項等によって信用を高める。
c)元来の優先弁済債務の額を、優先弁済債務とメザニン債務に分ける。メザニン債務についてはより高いリスクを負うこととなるので、より高額の返済を受けるに値する。
典型的な優先弁済債務の条件を、表5.Bに示す。
5.4 優先弁済債務-EMEでの提供者
EME海運業への優先弁済債務ファイナンスの提供者は、政府機関と商業銀行にわけられる。
融資を提供する四大政府機関は、ドイツのKreditanstalt fur Wiederaufbau (KfW)、デンマークのDenmarks Skibskreditfond (DSF)及びフィンランドとフランスの輸出信用機関である4。KfWとDSFは双方とも、自国造船所が、新造船契約、特に国内の私的な税金組合が資金を出す様な商談を勝ち取ることができるようにする補助という面で、そもそも有名になったものである。デンマークでは、こういった税金組合に対する優遇措置は、1994年に実際にはなくなっており、ドイツでも1999年に廃止された。
4 第5の政府機関は英国のSMFCであるが、そのポートフォリオは小額である。