日本財団 図書館


図3.C及び表3.Dに示されるように、小地区の中では、北ヨーロッパが資本価値総計で最も支配的であるが、特に一般貨物及びその他船舶においてこれが顕著である。ウェットバルク及びその他船舶に集中しているスカンジナビアがこれに続いている。ギリシャは、資本価値の面から見ると、ウェットバルク船舶が優勢を占めている。DWTに対する資本価値を比較してみると、ギリシャの船腹の低価値は古い船齢面を反映しており、その反対が北ヨーロッパの一般貨物船隊である。(つまり、船齢が若い)。ヨーロッパ中東地域の資本価値の66%が北ヨーロッパとスカンジナビアに集中していることを見ると、ロンドンがこの地域の主な船舶金融センターであり、他の主要海運銀行がドイツ、オランダ及びノルウェーをベースにしていることも、不思議ではない。

 

図3.D:EME現存船腹の資本価値の船種別の地域構成(単位:百万米ドル)

028-1.gif

 

世界船隊と同様に、一般貨物とその他部門に、高価値の集中が見られ、船腹量と資本価値の図を比較してみると、このタイプの船舶では、北ヨーロッパが独占的であることがわかる。船腹量では、相変わらずギリシャが支配的であるかも知れないが、ウェットバルクとドライバルク分野で古い船舶が集中していることがより低価値に反映されている。その結果、EME地域での船腹量では、ギリシャが一番大きな市場占有率を占めているが、資本価値の面では、第3位に甘んじている。

 

3.4 新造船の資本価値と中古船売買量

資本需要の総計とは、現存船腹(1999年1月1日現在)の資本価値に、新造船建造契約及び中古船購入に必要な資本を加えたものである。2.8項で要約した世界の所要投資額から、世界の船腹量に対する小地区ごとの船腹量の割合を用いて、EMEの所要投資額を算定した。これを表3.Fに示す。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION