第3章 ヨーロッパ及び中東地域の海運業のプロファイル
3.1 EME地域の海運業の構成
VIDにおける地域分類では、ヨーロッパと中東(EME)は、一つの地域として整理している。この地域は次の小地区から構成されている。
ギリシャ
中東
北ヨーロッパ
スカンジナビア
南ヨーロッパ
上記の各小地区の構成国のリストを付録2に示した。一般に、ヨーロッパを定義する上で、ヨーロッパ大陸の東側の境界は、ドイツ、オーストリア及びイタリアとされており、旧ソ連及び東ヨーロッパの国々はこの中に含めず、「東ヨーロッパ及び旧ソ連」として整理した。世界の海運業と同様にヨーロッパ内での分類においても、船舶の実質支配会社の所在国という概念を使用した。従って、会社の中には、ヨーロッパ外に事務所を有するものも存在しうる。
図3.Aの左側の円グラフは、EMEの現存船腹総計36,100万DWTの船種別内訳である。世界の船腹と比較した場合のEME船腹の主な違いは、ウェットバルクがより多く(44%対38%)、ドライバルクがより少ない(32%対37%)ことである。一般貨物及びその他の部門では、EMEも世界と同様である。船種別の船腹量の数値を表3.Aに示す。