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図2.G:その他の部門の船齢構成

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船齢構成の特定の船齢への片寄りの問題として、1970年半ばに石油需要の高まりを受けてVLCC/ULCCの建造ラッシュを引き起こしたタンカーの例が挙げられる。現存の大型タンカー(V/ULCC)の50%以上は、1973〜1977年の5年間に建造されたものである。これは、図2.Dのウェットバルク船腹の船齢構成に現れている。21〜25才のピークは、ウェットバルク総船腹量の30%以上となっている。これらの老齢舶のスクラップへの期待が現在の新造船のピークを生み出す結果となっている。ドライバルク、一般貨物及びその他の船舶の船齢構成を図2.E、2.F及び2.Gに示す。これらの全ての分野で、過去30年にわたる周期的な建造ブームが現れているが、ウェットバルク部門ほどに際立ってはいない。これらの各図には、1999年1月1日現在の各部門の手持ち工事量も竣工予定年毎に示されている。なお、手持ち工事量及び今後の投資については、2.6章で、詳述する。

 

2.6 新造船建造量とその資本価値

表2.Fは、手持ち工事量とその資本価値を示したものである。この評価額は、それぞれの船舶がここ1〜3年の間に発注された時の実際の価格とは必ずしも一致しない。この期間は、新造船船価は、一般的には低下している。1997年に行われた極東の造船所の1999年引き渡しの契約は、同じ船を1998年末に、2000年の引き渡しで契約したものより、一般に20%高いといえよう。ここで示した評価額は、手持ち工事の船価を推定したものではなく、現在の価値レベルである。多くの場合、実際の契約価格は、ここに示した評価額よりも高いと考えられる。

1999年初での手持ち工事量は、総計1,908隻、109.9百万DWT、資本評価額約820億ドルとなっている。2.3章に述べたように、クルーズ船、オフショア船ガス船の手持ち工事を有するその他の船種が、最も高い評価額となっている。

 

 

 

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