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地域に関しては、各船舶について、当該船舶の実質支配会社(又は個人)の所在国を整理した。実質船主の把握を困難とする便宜置籍の一杯船主が多いことから、登録上の所有者、船舶運航者/管理者の分析に加え、調査会社のノウハウに基づく推定も加味している。

実質船主の所在地134カ国を、「アフリカ・インド」、「アジア・オーストラレーシア」、「ヨーロッパ・中東」、「東ヨーロッパ・旧ソ連」、「日本」、「北米」、「中南米」、「その他」の8つの地域に集約した。「その他」は主に実質船主の所在地の確認ができなかったものである。ヨーロッパと中東を一緒にしたのは、海運への融資を取り扱うヨーロッパの銀行ではこの地域を1つのマーケテイング範囲として取り扱い得るためである。第3章に、「ギリシャ」、「南ヨーロッパ」、「中東」、「北ヨーロッパ」及び「スカンジナビア」の小区分によるヨーロッパ及び中東の船腹の明細を示した。なお、地域区分の詳細を付録2に示す。

 

2.2 船種構成

船腹の分類は、船型、船齢、輸送貨物、船主・実質船主の所在地、法人の形式あるいは用船方式など、様々な指標を用いて行うことができる。最も一般的な分類は、輸送される貨物のタイプによる分類で、本報告書でもこの分類を用いている。

 

ウェットバルク:原油、石油製品及び化学薬品の輸送。ウェットバルクで輸送される貨物のトンマイルベースでの荷動量のおよそ20%は石油製品である。ウェットバルク船は、リキッドバルク船あるいはタンカーとも呼ばれる。なお、兼用船(ウェットとドライの両方を輸送できるもの)は、単純化のためにウェットバルクに含めた。

ドライバルク:バラ積みでの乾貨物の移動。主要貨物は、鉄鉱石、石炭及びコークス、穀物である。これに次ぐ主要貨物には、ボーキサイト、アルミニウム及び燐鉱石がある。マイナーバルクには、くず鉄、木材、セメント、砂糖、塩、化学肥料がある。

一般貨物:梱包された貨物や製品の輸送。一般貨物船は更に次のタイプに分類される。

* バルク/コンテナ船:通常の一般貨物やコンテナ貨物両方を輸送するように、設計されたもの。

* コンテナ船:コンテナ貨物だけを輸送するように設計されたもの。

* Ro-Ro/Ro-Lo船(ロールオン・ロールオフ/ロードオフ):貨物は船上まで車で運ばれる。

* 冷蔵運搬船:パレットかコンテナに収納した冷蔵貨物(通常、果物)を輸送。

* 一般貨物船:一般に小型の船舶で、プロジェクトカーゴ、パレット物、袋物を輸送。

その他:上記以外のもの。下記の専用船である。

* ガス輸送船:LPG(液化石油ガス)及びLNG(液化天然ガス)の輸送船

* オフショア船:主にオフショア用の補給船、パイプ輸送・転錨船、生産・備蓄船

 

 

 

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