(5) リリーフ弁作動試験
内部機械的ストッパにベーンを当ててポンプを回し続けた場合、吐出全量を異常な圧力上昇なく逃すことを確認した。
(6) 負荷試験
負荷装置により、ベーンの前後に常用圧までの圧力差を発生させた場合と、セグメントの前後に同様な圧力差を掛けた場合の2ケースについて旋回試験を行い、正常な旋回速度および滑らかな動きを確認した。
本試験はアクチュエータ内の油圧バランスを崩して行うので、ジャーナル軸受けに計画以上の荷重を掛けることになる。
(7) 油圧ユニット温度上昇試験
油圧ユニットを室温から無負荷で連続運転し、作動油タンクの温度上昇飽和値を計測した。結果は計画値(室温+25度)以内に保たれ良好である。
(8) 開放検査
全作動試験後開放検査を行った。
内部接触は皆無であり、軸受けのあたりマークも均で良好である。
シール類にも異常な変形や擦り傷はない。
3. あとがき
以上のとおり、平成12年度はアクチュエータの高圧化、新規構造および材料による製造の合理化、および油圧ユニットのコンパクト化、製造の容易化について開発、設計、製造および工場試験を完了した。
この開発を通じて、同一思想による異なる力量のシリース機の最適化、相似設計への展開のノウハウが蓄積された。
今後は、できるだけ早く本シリースの実機を実船搭載して、動的負荷の元で耐久性を立証したい。