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3. あとがき

 

(1) 欠陥エコーと溶接余盛からの形状エコーの識別方法の検討

横穴加工試験体による実験を行い、欠陥エコーと溶接余盛からの形状エコーを識別する方法として、溶接継手を挟んで、2個の探触子を配置し、探傷波形をそれぞれ採取し、2個の探触子で得られた探傷データそれぞれについて、探傷波形から最大エコー高さを検出した反射源位置を求め、それぞれの反射源位置の差の絶対値があらかじめ設定した同一欠陥判定距離以内であれば欠陥と判定するアルゴリズムを構築した。

(2) 欠陥エコーの自動抽出ソフトの検討(溶接余盛からの形状エコーの自動削除)

前項で決定したアルゴリズムに従った識別方法を実現するための欠陥エコー自動抽出ソフトを設計、試作し、横穴加工試験体を使用して、試作したソフトで欠陥エコーを抽出できることを確認した。さらに、溶接余盛からの形状エコーが探傷上問題無いように十分削除できるようにソフト改良を行い、高度化を図った。

(3) 溶接余盛からの形状エコー削除機能搭載型小型軽量自動UTシステムの設計と試作

上述した機能を有する自動UTシステムの設計、試作した。横穴欠陥、ブローホール内在試験体及び平面状欠陥を内在させた人工欠陥試験体を用いて、各種欠陥の検出性能確認を行い、所要の性能を有していることを確認した。さらに、建造中の船積みLPGタンクに対するフィールド適用試験を行い、作業性、可搬性、操作性を確認するとともに、RTとの検出能比較を行い、微小ブローホールを見逃すことはあるが、その合否判定に影響を及ぼさぬレベルであることを確認した。

 

 

 

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