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4.1.2 コンテナ船の輸送総量及び輸送容量の予測

コンテナ船の輸送総量(TR)及び輸送容量(TCijk)の予測には、バルカー及びタンカー(4.1.1)と同様の考え方を用いた。

 

(1) 輸送総量の予測

1] 貨物量の将来予測

一般にコンテナの貨物量(TNi)は世界のGDPに比例すると仮定することが多い。基盤協(2000)も同様の手法を用いており、世銀の長期観測によるOECD諸国の2000年〜2005年の平均的なGDPの伸び(2.8%/年)を用いて建造需要量の予測を行っている。本調査においても、lower caseについては1997年の貨物量(TNi)=49,000×103TEU(1.2.2参照)の2.8%分である1,400×103TEU/年を年増加量とすることとした。また、upper caseとして、平成11年度の調査と同様に1997年の貨物量(TNi)=49,000×103TEU(1.2.2参照)の6.0%分である(2,940×103TEU/年)を年増加量とすることとした。この増加量は過去5年のコンテナ取扱量(TEU/年)の平均的な増加量でもある。

 

2] 輸送総量の将来予測

航路(p)ごとの輸送距離(Dp)が将来にわたり変化しない場合、輸送総量(TR)は貨物量(TNi)に単純に比例することになる。よって、ここではlower caseとして表1.2-4に示した1997年の輸送総量(TRi)=352,000×106TEUマイルの2.8%分である9,900×106TEUマイル/年を年増加量として用いることとした。また、upper caseとして、1997年の輸送総量(TRi)=352,000×106TEUマイルの6.0%分である21,120×106TEUマイル/年を年増加量として用いることとした。

最近は、大型ハブ港にコンテナが集中する傾向があり、特に域内の貨物量(TNp)の動きが変化することによって平均輸送マイルが変わったり、大型ハブ港の移行などで地域間の平均輸送距離にも変化が生じる可能性がある。

しかし、これらの点について将来にわたり予測するには定量的な情報が不十分であったため、航路ごとの平均輸送距離は将来にわたって変化しないと仮定した。

コンテナ船の貨物量(TNi)及び輸送総量(TR)の将来予測を表4.1-9に、2011〜2020年のコンテナ船の予測に用いた貨物量(TNi)及び輸送総量(TR)の年増加率を表4.1-10に、それぞれ示した。

 

 

 

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