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2.2 N2O排出量の推定

2.2.1 排出量の文献調査結果

一酸化二窒素(N2O)は、内燃機関等による燃料の燃焼や石油化学工業の副産物及び家畜糞尿や堆肥から発生することが知られている。

例えば、「気候変動に関する国際連合枠組条約」に基づく第二回の日本国報告書によると、1998年度のN2Oの排出量は、合計で64×103トン/年で、燃料消費による排出が約40%、工業プロセスによる排出が約40%を占めている(図2.2-1)。

 

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図2.2-1 日本国における陸上からのN2O排出量(1998年度)

 

燃料の燃焼に伴うN2Oの排出は、燃焼雰囲気中においてFuel NOxあるいはThermal NOxへの酸化が完全に進行しない場合に生成されるものであるが、排気中水分がある状態でSOxとNOxとの反応からも生成するとも言われており、その生成過程は必ずしも解明されていない。

自動車用ディーゼル機関と大型船舶とのN22O排出原単位について、IPCCガイドライン値を表2.2-1に示す。

排出係数としてIPCC報告値の0.08g/kg-Fuelを用いると、全世界での舶用機関からのN2O年間排出量は約10.0×103トン/年であり、地球温暖化係数310を乗じてCO2量に換算すると3.1×106t-CO2/年と計算され、CO2排出量(374.6×106t-CO2/年)の約0.8%となる。

また、実際の国内における測定結果をみると、表2.2-2及び表2.2-3に示すようになっている。表2.2-3は陸上機関の測定データであるが、C重油焚きのほうが全体としては排出係数が大きい傾向がみられる。また表2.2-2に示した舶用のデータでは、2サイクルと4サイクルで傾向が異なるが、特に高負荷において低い値が観測されている。

 

 

 

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