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図2.1-1 日本国における陸上からのCH4排出量(1998年度)

 

2.1.1 舶用機関からの排出量

舶用機関の排ガス中のCH4濃度及びNMVOC(non-methane volatile organic compounds;CH4以外の揮発性有機炭素ガスの総称)の測定例は世界的にみても例が少ないが、運輸省船舶技術研究所(現、独立行政法人 海上技術安全研究所)研究6があり、CH4濃度はおおよそ1,000〜1,500ppbの間に分布している。この数値をIPCCの排出係数に換算すると、およそ0.3〜0.5kg/TJとなる。IPCCレポートにおける舶用機関のCH4排出係数は、燃料種、機関の大きさに関わらず5kg/TJと設定されており、これは自動車用ディーゼルと同じ設定である。一方、国際海事機関(IMO)の海洋環境保護委員会(MEPC)の第45回会合において提出されたコンサルレポート(MEPC45/8)では、EMEP/CORINAIR、1990年版7の排出係数データベースに基づき、7.5kg/TJ(原表記0.3kg/t-Fuel)の排出係数が用いられている。この値はIPCCレポートの車載用ガソリン機関と同じ数値である。

船舶技術研究所の報告値、あるいは陸上車用のエンジンと比較した舶用機関の燃焼温度の高さ及び反応時間の長さ、等を考慮すると、IPCC及びMEPC45/8で使用している排出係数は過大評価である可能性が高いと考えられるが、ここではIPCCガイドラインに従い、MEPC45/8(表2.1-1参照)の排出係数(7.5kg/TJ)及び排出量(0.037×106t/年)を用いるものとする。

 

6 船舶技術研究所(2000)「平成12 年度船舶技術研究所発表会講演集、舶用ディーゼル機関から排出される揮発性有機化合物の計測及び評価」

7 CORINAIR90 database, the CORINAIR 1994 default emissi on factors, the EDGARVersi on 2.0 database, National Communications to the FCCC, Berdowsk i, et al. (1993a and 1993b), Radian Corporation (1990) and US EPA (1995)

 

 

 

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