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5.3 試作ハニカム性能評価結果

 

先に示した調製方法にて作製したハニカムの性能評価試験を行った。評価試験条件を以下に示す。

 

表5.3-1 吸着剤ハニカム試験の実験条件

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吸着剤の体積を1m3に設定した場合、前述の運行モデルに基づけば負荷率100%でSV=5,000h-1となるが、吸着剤作動時すなわち出港時の平均負荷率を50%と仮定すると排ガス量はSV=3,000h-1に相当する。したがってここでの吸着剤ハニカム成型体のデータ取得条件をSV=3,000h-1に設定した。

100℃から10℃/minで昇温吸着を行ったときの、ハニカム性能試験結果を以下に示す。吸着量および脱離量は7.9cc(s.t.p.)となった。300℃までの総NOx供給量は13.8ccであるため、SV=3,000h-1程度で低温域で排出される全NOxの57%程度が吸着除去できたことになる。

また、今回用いた試作品へのMn2O3・2ZrO2の担持量は2.87グラム程度であるため、吸着剤1グラムあたり、2.75ccのNOを吸着している。昨年度までの結果から、期待できる吸着量は昇温測定で3.3cc/g程度が期待できる。(飽和吸着量はさらに大きい)したがって、現状の担持量のままでもさらに20%増の改善効果が期待できる。

 

 

 

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