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5・6 多気筒エンジンの設計

5・6・1 多気筒エンジンの仕様

RCEM、単気筒エンジンによる燃焼特性、エンジン性能、及び排ガス特性の評価結果を多気筒エンジンに反映し、廃食用油燃料による性能評価を行う。

表5・6・4に多気筒エンジンの主仕様を示す。燃焼方式等の基本的な仕様は単気筒エンジンに同じである。

 

表5・6 4気筒エンジンの仕様

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5・6・2 多気筒エンジンの主要構造

単気筒エンジンの構造を基に、大物主要部品の概略、詳細設計を行った。シリンダの中央に副室と噴射ノズルを配置した中央副室式燃焼方式を採用し、燃焼室壁面には窒化珪素セラミックスを用い、その外周に空気層、低熱伝導材を配置した遮熱構造(いわゆる魔法瓶構造)等の基本的な構造は単気筒エンジンと同じである。

シリンダ配置は、直列4気筒とし、ラジエター、クーリングファン、ウォータポンプ等の冷却系は除去している。

大物部品としては、単気筒エンジンと同様に分割したセラミックポートライナーを組み込んだウォータジャケットのないシリンダヘッドと、シリンダライナー周囲のウォータジャケットを廃止したシリンダボディの設計を実施した。副室はシリンダヘッドの上方から挿入し、噴射ノズルの固定も兼ねた専用のホルダーでシリンダヘッドに装着される。噴射ノズルの燃料供給口が配置されるシリンダヘッドカバーは縦壁部を別体構造とし、組み立て作業の容易化を図る。ギヤタイミングトレインはエンジン後部に、吸気系、噴射ポンプはエンジン左側面、排気系はエンジン右側面に配置する。コンロッド、クランクシャフト、ベアリングキャップ等のピストンより下側の構成部品は水冷エンジンと同じでよいのでベースエンジンとなるいすゞ自動車(株)の量産エンジン用部品を採用する。

 

 

 

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