1. 沖縄の海では…
<赤土(あかつち)の流出(りゅうしゅつ)>
森林の開発で、山が削(けず)られ、谷が埋められ、雨が降ると赤土が流れ、川から海へと流出しています。森から流れた赤土が、美しい珊瑚礁(さんごしょう)の海を汚染しています。また、この赤土や土砂(どしゃ)の流出がサンゴの※ポリプを食べるオニヒトデの大発生につながっているのではないかと言われています。オニヒトデの大量発生で、サンゴは死滅(しめつ)しています。
<サンゴの白化現象(はっかげんしょう)>
サンゴの色が抜け、白っぽくなる「白化現象」が、1997年から世界各地で問題になっています。日本では、1998年夏ごろ沖縄や鹿児島を中心に広がり、白化から回復できずに死滅(しめつ)したサンゴがたくさんいます。
沖縄県瀬底島(せそこじま)の水深2m以内の海底では、1998年8月下旬の白化率は約95%、死滅率は5%だったところ、10月下旬には死滅率が93%まで達しました。
サンゴの生息に適した水温は、25〜29℃。水温が高すぎても低すぎても白化が起こります。沖縄では、夏台風の直撃が少ないと、海水がかき回されずに高温が続き、白化の原因になることがあります。
※サンゴは、イソギンチャクに似た肉食動物で、ポリプ(さんご虫)が群体(ぐんたい)となって集まって生活しています。