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●おおよそ20%の応答者が、船旅は初めての経験で、40%が、たまに、他の40%が、しばしば、船旅をすると、それぞれ述べている。

●95%の応答者が、ニュー・ヨーク出港直後に、救命艇訓練や説明会があるものと予想していたと言っている。しかし、ノパ・スコチア州ハリファックスでニュー・ヨークヘの最終行程に乗船した20人ばかりの旅客のうちの数人は、乗船しても避難訓練(注17)とか説明会はないと考えていた、と言っている。

●87%の応答者が、安全のための説明図とか説明書あるいは通路、とか階段、浴室に設けられた緊急時用設備の設置場所を調べたのを記憶していると言っている。この船客達は、船室係が客室に案内したとき、救命胴衣の格納場所や緊急信号ベルの音声の意味合いを書いたパンフレットの所在場所について説明を受けたのを記憶していると言っている。

 

検査及び検証

コース・レコーダー及び航跡調査…QE2は、コース・レコーダーと音響測深儀を装備している。ヴィンヤード海峡と乗揚地点間、即ち、20時54分から21時58分間の本船の航跡を再現するために両計器を使用した。この再現では、“NA”灯火浮標に向かうときの船首方向は、235度と240度との間でばらつきがあるのが分かった。それから、最大度数の255度となり、続いて乗揚地点に向く242度に変わっている。

時間と連動するコース・レコーダー記録紙上の航跡は、正しく読み取りができるよう写真に撮って引き伸ばされた。その後、引き伸ばされた写真は、記録された数値との比較に使用された。

残されていた船首方向を予備的に調べたところ、QE2の実際の航跡が、通常、同海峡を通過するときの南西向きの針路とは違っていたことが分かったのである。安全委員会は、コース・レコーダー記録紙の数値に24度を加えたものが、本船の海峡通過の針路になると断定した。

更に精査すると、時間と関連したQE2の船首方向を示す資料は、世界標準時(UT)の02時06分に乗揚の事実を示す十分な記録(船首方向の乱れ。)を残している。一方、本船の航海日誌によれば、乗揚は、21時58分、即ち、UTの01時58分に発生している。航海日誌による乗揚時刻が正確に記入されているとすると、船位測定時刻における船首方位を知るには、コース・レコーダー記録紙に(-)8分の修正をしたものを読み取ることである。

 

 

 

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