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12 海難報告の発行及び国際海事機関への提出

 

12.1 調査主導国は、全ての実質的に利害関係を有する国に対して最終報告案の写を送付し、できるだけ速やかに同案に対する意義のある実質的な意見を提供させるべきである。調査主導国は、30日以内、又は合意した期間内に意見を受領する場合は、その意見の要旨を含めるために最終報告案を修正し、又は最終報告にその意見を添えるべきである。調査主導国は、合意期間経過後も意見を受理しない場合は、該当する要件に従って機関に対して最終報告を送付し、報告が公表されるようにすべきである。

 

12.2 旗国は、その他の実質的に利害関係を有する国によって行われ、国際海事機関に対して報告される調査に全面的に参加することにより、国際海事機関条約に基づく義務を遂行しているものとみなされるであろう。

 

12.3 海難の事実及び原因に関する報告又は報告の適切な一部分は、できる限り速やかに完成させ、海難原因と結合する要素の意識を深めることを通じて海上の人命の安全及び海洋環境の保護を強化するため、公共及び海運産業に利用されるべきである。

 

12.4 実質的に利害関係を有する国は、上記12.1に関係する報告の全部又は一部について同意しない場合、独自の報告を機関に提出することができる。

 

12.5 調査国は、緊急に安全行動が必要とされると決定する場合、適切な当局に中間的勧告を提案することができる。

 

13 調査の再開

 

海難に関する新しい証拠が提示された場合、適切な情報入力のため、十分な評価及びその他の実質的に利害関係を有する国に照会されるべきである。新しい証拠が、海難発生の事実の決定を具体的に変更し、及び原因に関する認定又は結果として起きる勧告を具体的に変更する場合には、国は、認定を再考すべきである。

 

14 報告の内容

 

14.1 海難調査からの情報の流れを促進するため、各報告は、次の14.2で略述する基本様式に準拠すべきである。

 

14.2 報告は、できる限り、次の事項を含むべきである。

.1 海難の基本事実の要約及び結果として死亡、負傷又は汚染があったかどうかについての記述

.2 旗国、船舶所有者、船舶管理人、会社及び船級協会の明示

.3 関係船舶の寸法及び機関の詳細に乗組員、通常の勤務形態及びその他の関係事項、例えば乗船期間、の記述を含む。

.4 物語体での海難事実の詳細

.5 海難に寄与した全ての要素の認定による論理的結論、又は認定にいたる報告を可能にすべき解析及び意見

.6 国際海事機関海難データベースの要求に合致し、機械的及び人的要素を含む海難原因についての解析及び意見の欄

.7 必要な場合、類似海難防止のための勧告

 

15 行政機関間の連絡

 

このコードの履行を促進するため、国は、海難調査の協力に関して連絡をとることのできる政府内の責任のある当局を機関に対して通知すべきである。

 

 

 

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