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図:日韓造船業競争力の展望

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(3) 個別企業の将来見通し

三湖重工業を除く主要造船4社の強み、課題・リスクは、次の表のように評価される。

全般に本業の造船事業は、好調であるものの、各社とも財閥内他社の経営悪化の影響を受けやすいというリスク要因を抱えている。

企業別には、現代重工業は世界最大の造船企業であり、生産性向上が最も期待できる企業である。半面、現代グループ自体の行方が不透明であり、その余波を受ける可能性がある。

三星重工業は、三星商用車清算問題があるものの、財閥としては最も健全であり、安全性は相対的に高いと見ることができる。

他方、大宇重工業(分割後の大宇造船工業)は、企業分割直後であり、依然として不透明な要素が多い。売上総利益率の低下、代金受取条件悪化による金利負担増加はマイナス材料である。但し、不良債権を管理会社に残したかたちでの再出発であるため、業績はある程度安定的に推移するとの見方が韓国国内では多い。

韓進重工業の場合、業績自体は良好である。但し、規模が他の3社に比べ格段に劣ること、設備が古く、生産性上昇に限界があること等がリスク要因となっている。

 

 

 

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