日本財団 図書館


3. 野鳥

 

島根県は、全国でも有数の汽水湖である宍道湖と中海を擁するほか、江の川や斐伊川、高津川といった一級河川と広大な平野部、さらには日本海に面した複雑な海岸線など、水辺に暮らす鳥たちにとって多様な生息環境を提供しており、1997年までの調査では約253種の鳥類が確認されている。

 

(1) 野鳥の出現場所

 

飯梨川河口:飯梨川河口は中海の南にあり、潮の満ち引きによって干潟ができます。この干潟に渡り鳥としてシギ、チドリの仲間がやってきます。飯梨川の河原にはヨシなどの植物があり、田や畑も近いので年間120種類の鳥を観察することができる。

斐伊川河口:宍道湖の西岸にある斐伊川は、宍道湖の流れ込む一番大きな川です。河口には上流から流れて来た砂で形成された砂洲と、ヤナギなどの落葉樹が茂るヨシ原がある河川敷とで構成されています。また、河口周辺から中流にかけては、出雲平野の水田が広がっていて、年間を通じて約170種類の野鳥を観察することができる。

神西湖:神西湖は出雲市の西部にあり、周囲約6kmの小さな汽水湖です。しかし、水鳥の種類の豊富さでは県内有数の探索地です。湖の東部に「弁天島」と呼ばれる鳥居のある小さな島があり、絶好の探鳥ポイントとなっている。

高津川河口:高津川は益田市の中心を流れ、日本海に注いでいます。河口付近の川幅は約100mあり、右岸はあまり人の出入りのない河川敷となっていて、野鳥に適した場所である。

経島:大小二つの島からなり、仏教の経文をつみ重ねたような岩の形から名がついた。毎年12月頃、約5,000羽のウミネコが渡来し、4〜5月にこの島で産卵しヒナをかえす。ウミネコの繁殖地として昭和11年に国の天然記念物に指定された。

大波加島:隠岐島前知夫里島東部に位置し、オオミズナギドリの繁殖地として国の天然記念物に指定されている。

他出現場所:江の川河口、益田川河口、島後五箇村代地区、隠岐島前星神島、浜田港沖

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION