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8. サンゴ礁

 

島根県下のダイビング・ショップ経営者ならびに潜水調査を行っている団体等に、サンゴ群集の有無について聞き取り調査を行った。

その結果、隠岐島についてはイソバナ等は観察されるが、造礁サンゴは発見できない。また、美保関から益田にかけての沿岸部では温泉津町の内湾部にキクメイシ科の1種が散在するが、他の造礁サンゴ類は観察されないとのことであった。

そこで、造礁サンゴ類の有無を確認するため、島根半島は才から雲津、多古、鷺浦の6調査区で、隠岐島は島前の海士、島後の飯美附近の2調査区で、水深10mまでの海底を主としてスキン・ダイビングにより目視調査した。

その結果、造礁サンゴ類としては、隠岐島島前でアワサンゴの小塊がかなり疎に点在するのが観察された。その他のサンゴ類としては隠岐島島後ではイソバナ類が散見され、島根半島では鷺浦ではイボヤキの小郡落が発見されたが、造礁サンゴは両地区とも発見されなかった。

従って、島根県沿岸部では、造礁サンゴは普遍的には存在しないものと考えられる。その一因として、冬季の水温最低期(2月中旬-3月下旬)の水温が低すぎる(11-12℃)ことが考えられる。

 

【資料】第4回自然環境保全基礎調査 「海域生物環境調査報告書 第3巻 サンゴ礁」 環境庁 1994年度

 

 

 

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