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3-2 住民参加による建物・住まい方調査

(平成12年11月19日)

 

(1) 日野町住まい方調査概要

平成12年11月19日(日)日本ナショナルトラストの観光資源保護調査の一環として、日野の歴史的町並み地区の「建物と住まい方調査」が行われました。村井会所を本部にして、「日野の町並みと景観を考える会」の会員14人と岐阜女子大学の学生5人が、5班に分かれて、各班3件計15軒の「建物と住まい方調査」を終日にわたって実施しました。

9時半に村井会所に集まったメンバーは、まず今日の調査のやり方の説明を受けた後、午前中に1軒、午後に2軒の調査を行いました。調査は、建物の状況と間取りの採譜を学生が、住まい方のヒアリング調査を「考える会」の会員が行いました。会員の人たちはこのような調査を行うのは初めてであり、最初は不安と戸惑いがありましたが、調査する家の人の協力により、聞き取り調査以外にも話がはずみ、楽しく調査を実施することができました。調査のまとめは、報告書として取りまとめることとなりますが、ここでは、調査から出てきた代表的な意見、調査員の人たちの感想を紹介したいと思います。

・古い家を主に新しい家も調査しましたが、新しい家はもとより、古い家もしっかりとしており、痛みも少ないようでした。

・古い家の良さはなんと言っても落ち着けるということで、歴史の詰まった建物に愛着を持っておられるのが良くわかりました。

・しかしながら、大きい敷地と家は維持が大変であること、暗い・使い勝手が悪い・寒い・プライバシーが確保できないといった問題点も多く話されました。

・建替えされた人もやはり使い勝手の悪さや3世代同居になじまないといった理由で、やむなく建替えたとのことです。

・しかし、伝統は守りたいので、桟敷窓を設けたり、間取りを継承したりという努力が多くの家でなされていました。

・古い家の維持はとにかく大変で、改修するにしても非常に多くの金がかかることから、伝統的な建物と町並みを守っていくためには、町の支援がほしいということも、強く望まれています。

・古い家の良さを活かしながら、住みにくいところをうまく改造すれば、いい家になることも指摘されました。

・町並みの保存については、概ね好意的ですが、まずは旧家の保存から始めてほしいという意見が多く、それと同時に町が積極的に町並み保存にお金を使ってほしいと言う声が多く聞かれました。

・日野の町並みの良さは祭りに関連していることが指摘され、祭りの保存・継承が大切という意見もありました。

・調査の感想としては、いつも外回りからしか見ていなかったが、中へ入り話を聞かしてもらう中で、素晴らしいものが一杯詰まっていることが良くわかり、問題点も明らかになって、今後ともこういう活動を続けることで理解を深めたいという意見が多く聞かれました。

 

(2) 建物・住まい方調査の結果

以降に、調査結果を掲載しています。

 

 

 

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