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小浜池の北側の地点で、深さ105mまで地質調査のボーリングがおこなわれ、ローム混じり砂礫層を挟む上、中、下3層の溶岩層が確認された。

溶岩流下底までの深さは102m(海面下70m)である。

溶岩流は上層の厚さ31m、中層の厚さ15m、下層の厚さ29mに3分される。

溶岩の岩質はカンラン岩質玄武岩で、3層とも同質である(同じ三島溶岩に分類される)。溶岩は3枚とも水中や海中で固結した様相は見られず、溶岩の層間および溶岩下位の砂礫層の組成から判断して河川堆積物と判断された。

微流速計を使ってボーリング孔内の地下水流速を測ったところ、孔内に3箇所の湧出口が観測された。多孔質部分、クリンカー部分で湧出していた。逆に多孔質部分、クリンカー部分だからといって必ずしも湧出しない。これは白糸の滝で露出している湧出口が示すとおりである。水温はいずれの湧出口においても15℃で、小浜池の湧水の水温と等しかった。

小浜池の南と東側に愛鷹ローム層で覆われた三島溶岩流出当時の基盤の高まりがあり、北から流れてきた三島溶岩はこの基盤の高まりに突き当たって流れを西向きに変え、一部が基盤に乗り上げ、その結果、小浜池で溶岩の末端のように地表に露出したと考えられ、溶岩中の地下水はここから湧出している。露出している溶岩上層部について細かく観察すると、緻密な部分を中心に上下に多孔質な部分、最上部に破砕されてクリンカー状になるサイクルが見られる。溶岩中の気泡は小さいものは丸いが、1cm以上のものは扁平で、それぞれ独立している。クリンカー部分はもろいため溶岩流の境は不明瞭な場合が多い。一つのサイクルは一回の溶岩流を示すと考えると、一回の溶岩流の厚さは1〜11mと多様である。溶岩の上層部は6層の溶岩流の重なりに区分される。地下水はこのような溶岩層の間に入り込み、被圧状態となっていて、押し出されるようにして、末端から湧き出すと考えられる。裾野では溶岩は広がっているが、標高の高いところへ行くほど溶岩は狭く薄くなる。雨や雪解け水の多い高いところほど地下水は溶岩中に入りやすい。地下水そのものの流れはきわめて遅いが、空隙を流れる過程で混合が進む。被圧状態では大量の地下水が入り込めば末端はすぐに押し出される。富士山の雪が溶けるとすぐに柿田川や小浜池の水量が増えるのも、富士五湖をはじめ山麓周辺の大規模な湧水が山頂からの距離が違うにも関わらずほとんど同時に増水するのはこのような理由によると考えられる。

 

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(5) 丸池

小浜池と柿田川水源のちょうど中間、国道1号線の北側に丸池は位置する。丸池の周辺では三島溶岩流は露出していない。丸池の北側に養鱒場があり、養鱒場の北の池で、砂を巻き上げる湧出口が見られる。

 

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丸池は北側の養鱒場の池より水位が高い。丸池と養鱒場の間に小川がある。

 

 

 

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