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「海洋科学から見る水惑星の多角的視点にたつ基礎研究」研究報告書

 事業名 海洋科学から見る水惑星の多角的視点にたつ基盤研究
 団体名 日本科学協会 注目度注目度5


〔研究結果 1〕

水は地球形成以来絶えることなく循環している。この価値の認識なくしては地球上の人類の生存は不可能である。

 

(1) 水循環に伴うエネルギー移動

水は太陽のエネルギーにより蒸発し、低緯度から高緯度へと移動する。この際に水の状態変化に伴うエネルギー収支によりエネルギーを分配している。

陸地からの蒸発量はおよそ65兆m3/yで海洋からの蒸発量はおよそ415兆m3/yである。これを石油の燃焼により行うとすると前者でおよそ3.51×1015l/y、後者で2.24×1016l/yとなる。合計2.59×1016l/yとなりこの量は現在わが国が使用している使用量(年間)のおよそ72,000倍に相当する。これはおよそ357,870兆円に相当する。

海洋が運ぶ熱エネルギーの量は膨大なもので、黒潮だけを例にして近似計算しても3×1015cal/yとなり、この量はわが国全体が太陽から年間受ける熱量のおよそ100倍に相当する。

極地方では冬季結氷による沈降流の発生があり、これのカウンターカレントとしての湧昇流がある。これが極地に供給する熱量は極地における有効な熱源となっている。

 

(2) 物質移動

地球全体での降水量はおよそ5.1×1017lと見積られており、これにより陸地にもたらされる物質量は7.3×109t/yであり、Na(5.6×108t/y)、CI(5.6×108t/y)、Ca(2.1×109t/y)程度である。Znは2.1×106t/yであるが、黒鉱鉱床の一鉱体が硫化鉱として500万t程度であることを考えると膨大な量であり、アンモニアなどもおよそ1億t降下するものと考えられる。これを硫安に換算するとおよそ7,760兆円分になる。降水により物質が移動するが降水はwash out効果で、大気を浄化する作用があり、環境問題との関連で考慮せねばならない。

海水は多くの物質を含んでいるが、これも概算してみると、黒潮だけをとっても流量はアマゾン河の300〜400倍であり、全世界の河川が運ぶ物質量の2万倍の物質を移動させていることになる。

このように水の循環によって地球上の気候は温和なものとなり、水の循環によって、大気の浄化、農作物の灌漑が可能になっている。地球の温暖化がおこればこの降水量変化が量的地域的におこる可能性があり、地球各地における降水量のトレンドの調査は水循環の本質を知る上で重要である。

 

(3) わが国の降水量変動(付図1)

2000年11月にはCOP6が開催され、地球の温暖化の問題は現在、地球の最大の関心事である。地球が温暖化した場合の降水量変動は農業生産に対応して重要である。

グラフにわが国の全国46地点の平均値による降水量の変化を示した。これを見ると明らかなことは1960年までは年変化があってもその変動は著しくなく70年代、80年代、90年代と変動幅が大きく、毎年のように異常があることが示されている。これは地球温暖化に伴う気象の変動を示すものと思われる。また、この図を線形回帰すると1951年から1995年の間にわが国の平均降水量はおよそ200mm/y減少していることになる。

 

 

 

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更新日: 2019年3月23日

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