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「海洋科学から見る水惑星の多角的視点にたつ基礎研究」研究報告書

 事業名 海洋科学から見る水惑星の多角的視点にたつ基盤研究
 団体名 日本科学協会 注目度注目度5


1. 太陽系をつくった原始的材料物質

微惑星と呼ばれる46億年前に太陽系ができたときにあった原材料物質が、今でも小惑星帯と呼ばれる火星と木星の軌道の間に残っている。ここが隕石の故郷とされている。この始原的物質は太陽系の平均化学組成と同じであると考えられる。それを推定するにはフランスに落下したオーゲーユ隕石の化学組成が大きな貢献をしている。太陽外縁のガスの化学組成と同じ分布をもつ原材料物質の候補である隕石である。この種の隕石は、あまり温度が高くなっていなくて水や炭素を多く含んだ物質であることから、太陽系の始原物質と考えられている。このような隕石のどのような鉱物に水が貯えられているか、データ収集を行った。

太陽は太陽系全体の質量の、ほとんどを占めるので、太陽大気のスペクトル分析により推定された太陽大気の化学組成は、太陽系の化学組成を代表しているものと考えてよい。始原的物質の候補である炭素質コンドライトの化学組成を分析して見ると、気相元素の組成を除き、太陽の化学組成に類似している。両者を縦横軸にプロットすると、勾配が1の線の上にすべての元素が乗っている。この事から、炭素質コンドライトは太陽系をつくった原材料物質に近いと考えられている。われわれは、この物質を太陽系における物質進化の出発点となる原始的物質だと考えていた。

地球にある海水の素と考えられてきた始原的隕石の重要なのは、水を多く含む隕石が、太陽系でもっとも古くできて、変化を受けていないものであることである。水がどのような鉱物に、どのような過程で含まれるようになったかを、明らかにしなければならない。

始原的物的は太陽系の材料物質が、あまり変化しない物質として残っているものという特徴を持つ。その物質の1つとして、星をつくった物質そのものの残りも微量ながら残っている。この種物質が発見されたのは、その同位体比が太陽系のものと違うことによる。この種鉱物として最初に発見されたのがダイアモンドの微細な破片である。炭化ケイ素、グラフィイト、コランダムも見つかった。はっきりした化合物はわからないが、多くの炭素を含む有機物質も含まれる。

始原的鉱物にどんなものがあるか、隕石や他の天体にはどんな鉱物があるか、また地球物質の特徴は何か、海があるために出来た鉱物にはどんなものがあるか、これらの質問に答えるための地球惑星物質データベースをつくっている。よく普及しているウインドウシステムのアクセスで利用できるよう、このプロジェクトでプログラム開発した。

 

2. 海の水をもたらした物質はどこに残っているか?

オルト雲やカイパーベルトに残っているものが彗星(コメット)となり地球に近づく。小惑星帯に残っている小天体からはじき出され近地球小惑星となり、隕石として地球に落下。この2つのルートで水を多く含む隕石と呼ばれる物質が今も地球にやってきている。しかし、このプロジェクトでの調査の結果、問題となったのは、太陽系初期に地球に火星サイズの天体が衝突し月をつくったという説を受け入れると、海の水はその後に供給されたもの、と言うことになる。また、水素の同位体比からすると、上記の始原的隕石よりも、彗星が海の水のもとらしい。太陽系初期より、地球に落下している物質にはどのような種類のものがあったかを考える時、隕石の中にも進化の度合いの異なるものがあると言う認識が大切なことが判明した。

 

 

 

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更新日: 2019年1月12日

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