日本財団 図書館


8月4日(金)

 

○本日のスケジュール・内容

1) WHO訪問・講義

2) JICAマニラ事務局訪問

3) 学生主催懇親会

 

1) WHO訪問・講義

宿から歩いてすぐのところにWHO(世界保健機関)の西太平洋事務所[Regional Office for the Western Pacific (WPRO) ]があった。各国の旗がなびくポールが前庭に並んでいた。この中の会議場には机の上に名札が用意され、朝7時半からお昼まで、みっちりと、8人の方々の講義を受けた。途中、会議場を見学させてもらうことも出来た。

 

1] Dr. 金井の講義

厚生省から派遣されているというDr. 金井は、WPROの概略について説明してくださった後、質問の作法にについて教えて下さった。講義の後に質問をするのは礼儀であるが、第一質問者が特に大事であり、自分の名前や立場を簡単に述べてから、講義への感想を簡潔に述べ、そして質問するとよい、ということであった。

 

2] Dr. C. Dilettoの講義

WPROにおけるハンセン病についての講義であった。患者を国別に見ると、フィリピンは34%、カンボジア15%、中国19%であり、フィリピンの対策が重要であることがわかった。笹川記念保健協力財団の資金援助に大変助かっているということだった。1990年代に入りMDTの普及とともに患者数が急減しているグラフは印象的であった。

 

3] Dr. Dong Il Ahnの講義

結核についての講義であった。日本でも最近は若年者と高齢者の間の感染が問題になっているが、WPRO内ではフィリピンとモンゴルでの患者数が多いようだ。中でもフィリピンでの増加の背景にはHIV感染があるという。結核患者への対策は現在はDOTS (Directly Observed Treatment, Short-course) の徹底をはかり、そして、JICAの協力するR&R (Record and Report) 方式が管理に有効だということであった。結核の予防法として教育の重要性が強調され、小学校での教育、テレビでの啓蒙がなされているという。

 

4] Mrs. K. Fritschの講義

WPRO管轄地域では、300万人のnurseが存在する。そのnurse達の職環境の問題点等について説明があった。教育方法の問題点や人材不足など問題点は多いという。

講義を受けながら、将来産業医に進む学生の目が特に輝いていた。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION