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気づき、心の扉

田中耕一郎(富山医科薬科大学医学部4年)

 

この研修のいいところは、単に知識習得型の体験ツアーにとどまらず、いろいろな気付きを与えてくれることです。何故、これが大切なのか?何故やっているのか?という根本のところを出会う方々が生き方をもって伝えてくれること。自分自身の原動力となっている体験なども。感じ、考えることの大切さをあらためて感じさせてくれました。まっしぐらに走って来た4年間の後のturninng pointとなりました。

メンバーも「国際医療を将来やりたい」という以外の学生を多く集めていることが、逆説的ですが、非常にすばらしいところです。酒とスポーツのみに打ち込んできた奴、基礎医学の研究に興味がある奴、所帯もち子持ちのパパ、マスコミで番組をつくりたい医学生、学級委員長を絵に書いたような女性。本当に片寄りがちな議論をいろいろな方向から洞察する助けになりました。

いろいろな好奇心に満ちあふれている連中、真面目にいろいろな挑戦をして自分探しをしている連中、本当に刺激的な毎日でした。

一方、集団行動の難しさを痛感させてくれたのもこのツアーでの収穫です。ぼくの短気で効率を求めたがる点を率直に指摘してくれ、違いに対する寛容さが自分にとっても如何に重要なことかを教えてくれた2人に本当に感謝しています。リーダー、サブリーダーの個性の違いと意外にも息の合ったコンビ。リーダーの傾聴とサブの仕切り。日を経るにつれ、本当にぼくも徐々に二人のリーダーとしての味を深く感じるようになりました。ぶつかりもありましたが、それぐらいの個性がないとかえって物足りなかったかもしれません。

人生の中でいろいろな出会い、発見、きっかけは多くあるが、その瞬間に心の扉を開いてないと、何もなかったように、それは通り過ぎてしまうということ。今回の研修でも数多くの宝物が、隠れていて掘り起こされたものもあるし、気付かれずそのまま過ぎてしまったものもあるのかもしれない。これは本当にこわいことです。そういう感性を大切に、偏見を捨て、心の扉を開けていようと。これが今回の大きな教訓です。

 

 

 

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