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3月13日(月)

 

○本日のスケジュール・内容

 

○RHU of Subic訪問

この日、私達はまずSubicにあるRHU(Rural Health Unit)を訪れた。

Subicは4つのエリアからなり、人口は59,391人。1991年に起きたピナツボ火山の噴火後、5,000人以上が避難してきたのだそうだ。

Subicには16のバランガイがあり、そのうちの9つにBHS(Barangay Health Station)がある。バランガイを村、BHSを村落保健所とすると、RHUはそれをまとめる町の保健所と言える。このRHUには、Dr 1人、Nurse 1人、Dentist 1人、Sanitary Inspector(予防活動、サーベイランス等、公衆衛生の補助業務を行う、専門の医学教育を受けていない職員)、Thrapist 1人、Midwifeが9人おり、診療活動のほか、予防、衛生教育、環境衛生の指導などを行っている。

Subicはマラリアのendemic areaで、毎年500人以上の患者が出るとのことだった。多いのは三日熱マラリア、熱帯熱マラリアで、疑わしい症状のある人のスメアをとり、みつけたら投薬を開始する。年齢、症状別に投与量は異なるのだが、投与量のレジュメのコピーが、スタッフ全員のすぐ見れるところに貼ってあった。

歯科の患者も多い。甘いものを好む食生活のせいか、虫歯が非常に多く、抜いてしまうことがしばしばなので、若い人にも入れ歯は珍しくないそうだ。見学中も、中年男性の虫歯の治療が行われていた。

妊婦や乳幼児の検診は週に一度行われている。幼児の成長曲線は、日本のものより体重を少し軽めに設定してあるそうだ。表の見方他、子供の体重の計測、記録を母親自身ができるように、母親への教育も進めている。

 

<考察>

患者に、カラーのイラストのついたカードや、プラスチックの模型でわかりやすく説明したり、子供を連れてきた親同士や、スタッフがにこやかにおしゃべりしていたりと、住民に身近な診療所の姿を見た気がする。しかし、周産期および乳児死亡率の高さなど、取組まねばならない課題はいろいろありそうだ。

 

○BHS訪問

つぎは、グループに分かれて別々のBHSを見学した。

私達のグループが訪れたBHSには、Midwife 1人、BHW(Barangay Health Worker)2人が常駐しており、1日15人ほどの患者があるということだった。Midwifeの方は他のBarangayともかけもちしているそうで、BHSに居るだけでなく、Barangayの1軒1軒を見回ったりして、かなり忙しそうだ。患者が彼女の後を追っかけのように付いて歩くこともあるらしい。BHWの教育は、おもにRHUのスタッフによるが、Midwifeから体験として学ぶところも大きいのだそうだ。

 

 

 

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