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3月8日(水)

 

○本日のスケジュール・内容

国立療養所多磨全生園/高松宮記念ハンセン病資料館

(座長)国立療養所多磨全生園 園長 菊地敬一 先生

9:00〜10:00 「ハンセン病の現状と国際協力」

国立感染症研究所ハンセン病研究センター長 松尾英一 先生

 

ハンセン病は有史以来マイナスイメージをもった病気。しかし、スルホン剤が使われるようになって治療ができるようになった。現在ではハンセン病患者に対しては、MDTによる治療がなされており、患者数が劇的に減ってはいるものの、子供の患者の比率がわずかに増えているなどの問題がある。

今、世界のハンセン病患者のほとんどはアジアにいる。特に東南アジアでは多い。日本はそういった国から食料を輸入しており、関係が深い。そういった国々に対しての国際協力を考えると日本の蓄積されたデータが必要になる。ハンセン病は人が人を差別するもとになるものである。だからこそハンセン病をなくさなければならない。すでに日本ではハンセン病は過去の病気となっている。だから知識がなくなりつつある。医療者はそういったものをなくさないようにしなければならない。

 

10:00〜10:50 「ハンセン病の基礎と臨床」

国立療養所多磨全生園 皮膚科医長 並里まさ子 先生

 

ハンセン病の原因であるM. lepraeは抗酸菌で、人工培地では培養できない。M. lepraeは類結核型(TT)、癩腫型(LL)を両極にしてその間に境界群(B)があり、TT、BT、BB、BLそしてLLと分けられ、それぞれ臨床経過が異なる。ハンセン病では自律神経がやられることで汗が出なくなったり、知覚が麻痺したりする。(この他にもハンセン病患者の写真をスライドで見たり、治療について話を聞いたりしました。)

 

11:30〜 園内見学

講議の後、多磨全生園の中を見学しました。並里先生の案内で病院の中も見学させていただいた。全生園にいるハンセン病の患者の平均年令は70才以上だそうで、大半が20才ごろに感染した人ばかりだそうだ。ハンセン病患者の臨床において必須なのは外科と眼科だそうだ。

 

13:00〜14:00 高松宮記念ハンセン病資料館見学

ハンセン病資料館運営委員

全生園自治会会長 平沢保治 氏

 

食事のあと高松宮記念ハンセン病資料館に移動した。高松宮記念ハンセン病資料館では回復者の平沢保治さんから、自らの経験をまじえながらハンセン病の歴史について話していただいた。

 

 

 

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