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バイエルン放送交響楽団

1949年7月1日、オイゲン・ヨッフムがバイエルン放送交響楽団の首席指揮者に選出され、彼の手によっていわゆる「ソリストによるオーケストラ」が築き上げられた。その結果このオーケストラは、またたく間に古典派とロマン派の両分野で国際的な名声を獲得することになった。このオーケストラは、今日に至るまで二つの柱に基づいて活動している。一つは、首席指揮者と一流の客演指揮者による定期演奏会であり、もう一つはカール・アマデウス・ハルトマンが創始した「ムジカ・ヴィーヴァ」である。その活動を通して、長年コンサート・プログラムから排除されてきた現代音楽が、主に作曲者自身の指揮によって演奏され、イゴール・ストラヴィンスキー、ダリウス・ミヨー、そしてパウル・ヒンデミットが自らオーケストラの指揮台に立った。リヒャルト・シュトラウスも、このオーケストラを指揮した作曲家の一人である。

オイゲン・ヨッフムは、首席指揮者を11年間務めた後ミュンヘンを去り、後任者としてラファエル・クーベリックが1979年までの18年間首席指揮者のポストに君臨した。彼は最初のマーラー・チクルスを指揮し、その演奏はレコード化されている。クーベリックは20世紀の作品にとりわけ重点を置き、スメタナ、ドヴォルザーク、ヤナーチェクなどのスラブ系の作曲家の作品も積極的に取り入れ、オーケストラのレパートリーを広げた。

1983年にサー・コリン・デイヴィスが新しい首席指揮者に任命された。イギリス出身のデイヴィスは、ウィーン古典派とエクトル・ベルリオーズの作品、そしてイギリスの比較的新しい作品を積極的に取入れ、オーケストラと共に新しいレパートリーを開拓した。

1993年より、ロリン・マゼールがバイエルン放送交響楽団の首席指揮者を務めている。マゼール就任後、当オーケストラはミュンヘンを中心にヨーロッパ内のほとんどの国々をはじめ、南アメリカ、中国、日本、そしてアメリカにも及ぶ演奏活動を行っている。

当初からバイエルン放送交響楽団は、偉大な指揮者たちを客演に迎えてきた。レナード・バーンスタインも頻繁に客演し、1990年に他界するまでこの楽団を定期的に指揮した。リッカルド・ムーティ、カルロス・クライバー、クラウディオ・アバド、小澤征爾、ズービン・メータ、ジョージ・ショルティ、ベルナルト・ハイティンク、ヴォルフガング・サヴァリッシュらが客演指揮者としてこのオーケストラを指揮している。

 

 

 

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