そこで、当然配置転換ということが考えられるわけですが、長年にわたってこの仕事についてきた人をどの職場へまわせるかということになると、難しい問題になります。また、本人の年齢からも、全く新しい職種とか、事務職というのも現実には無理ではなかろうかと思われます。このパニック障害をある期間に限定して、労働災害と認めることは可能でしょうが、延々と長期間にわたってというわけにはいかないと考えられます。
このような、極端な例でなくても、業務上のストレスなどから配置転換を考えざるを得ないケースでは、現業職員とか、長年にわたって、同じ仕事を続けてきた職員で、かつ、ある程度の年齢に達している場合は、どうしたらいいのか対応に困ることが少なくありません。一つの職場内だけでは解決がつかないということになれば、範囲を広げて、大げさないい方になるかもしれませんが、社会として何とか考えていくということしかないかもしれません。
【参考】
第3巻 3 いくつかの個々の問題について
ウ PTSD(心的外傷後ストレス障害)
6 精神疾患と労働災害