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事例10

職場になじめず出勤拒否症となった新人職員の事例

―先輩の対応がよく回復―

 

24歳、男、某中央省庁の職員

入省後は経理課に所属

 

高校卒業後、一年浪人した後、大学の経済学部に入学、公務員試験に合格して入省。

一人っ子で、やや母親から過保護に育てられたようではありました。少なくとも高校、大学と学生時代は問題なく過ごし、本人も学生時代から公務員になることを希望していました。

某中央省庁に採用され経理課に配属されましたが、採用後すぐに大事な仕事を任せられるはずはなく、研修に近いようなことや雑用的な仕事の毎日ではありました。本人の認識不足もあったのでしょうが、何となく不満足な日々を過ごしていました。また、大会社のように、同期採用者がたくさんいるという状況でもなかったことから、今置かれている状況が何となく周囲から浮き上がってしまったような感じが日増しに強くなってきました。

もちろん、いじめや無視などがあったわけではありません。何といっても日々忙しい職場ですから、本人がそういう心境であることに周囲も配慮する余裕がなかったということもあったようです。

本人は、次第に無力感を感じ、仕事に対する意欲も低下してきて、休みがちになり、とうとう職場に出勤することができなくなりました。

どうせ出勤しても大した仕事はないしという、投げやりな気持ちもあったことは否定できません。母親としては、無断欠勤させるわけにはいかないので、体調不良ということで職場へ届け出はしました。ここのところで、母親の関与というのが、多少問題もあったのですが、上司である係長にどうも職場の対応がよくないのではないかということをいったといいます。

 

 

 

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