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事例2

混雑した乗り物が恐怖で電車通勤ができなかった事例

 

38歳、男、会社員

これまでに、身体的、精神的に特別な疾患等にかったことはない大学卒業後、入職、経理関係の仕事

 

いつごろからか、余りはっきりしませんが20歳代後半から、電車に乗ると漠然とした不安を感じ、何となく息苦しくなるような感じもあって、次第に電車に乗ることが苦痛となり遅刻が増えました。

どうも混雑した乗り物が駄目なようで、例えば、新幹線などは長時間乗っていても大丈夫といいます。本人は、新幹線の場合は、車輌の中を行ったり来たりできるからだといいますので、乗り物の恐怖というより閉所恐怖―狭いところに閉じ込められると不安になる―の傾向もあるのかと思われました。

その職場では原則として自家用車による通勤を認めてはいませんでしたが、精神安定剤の投与なども受け、日常の仕事に追われていることもあり、特に願い出て、自家用車での通勤の許可をもらいました。

自家用車での通勤では特に問題なく、仕事にも支障は認められていませんでした。

ただ、職場の都合で、駐車場が一日から二日閉鎖されるようなことがあると、すぐ不安となることから、その時は近くのホテルに泊まるなどして対応していたようです。

その後、地方へ転勤することとなり、その職場はたまたま自家用車での通勤が普通のところでもあったことから、本人としては、それを歓迎するというようなこともあったようです。

この事例は、本人の転勤後は追跡をしていませんので、その後の経過は不明です。

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